ネスレ日本(神戸市)は、ネットスマイル(東京都)のAI-OCRサービス「AIスキャンロボ」を導入し、50%のコスト削減を実現した。
ネスレ日本では、FAXによる発注書を基幹システムに入力する方法の改善が課題であった。2019年3月にFAXの発注書を読み取り、発注データを基幹システムに連携するネスレ標準のツールを導入したが、日本語の読み取り精度が十分でないことや日本の商習慣に対応できなかった。
FAXの発注書をデータ化するには、手動での注文処理のプロセスに多大な時間コストがかかる、手動操作の間違いによるリスクが高い、顧客から送られてくる注文書のフォーマットがバラバラ、注文書へのコードの記載漏れが発生している等、多くの課題がある。多くのAI-OCRツールを比較検討した結果、ネットスマイルのAI-OCRサービス「AIスキャンロボ」の導入に至った。
一般的なAI-OCRでは、表の明細行の1行に1データがある書類は読み込むことができるが、多段組など複雑な形式の明細行の読み取りには対応できていない。同社のAI-OCR「AIスキャンロボ」は、複雑な形式の明細行のある書類が読み込める機能(特許出願中)を搭載しており、管理部門で使用する複雑で多種類の帳票のデータ化を可能にしてる。
同社によると、改善前は手入力で1件当たりの処理時間は約5分。月間3,000枚を処理していたため、月に250時間を要していたが、AIスキャンロボ導入後は、月125時間と半減することに成功したという。同社ホームページでは、導入事例インタビューの全容が公開されている。https://aiocr.ai/voice/ai.shtml